うさぎも喜ぶ、お月見の絵

 空が幾分高くなり、暑かった夏を惜しむかのように草むらの中で虫たちが、合唱を奏でる9月。そんな秋の気配を感じ始めた頃、最初に迎える風物詩といえば中秋の名月「十五夜」、お月見です。今年の十五夜は9月12日。一年の中でお月様が最も美しく鮮やかに輝く夜とされています。そんな夜は、すすき、お神酒、お団子と里芋や梨などの作物をお供えし、収穫を感謝しながらお月様を愛でます。満月のように丸いお団子と、魔除けの力があると言われるすすきを飾るのが一般的なお月見の形。地方によっては芋類の収穫を祝って里芋を供えることから、「芋名月」とも呼ばれています。
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 当日のおやつは、お月見を祝って入居者の皆様と一緒にお団子を作りました。白玉粉の繋ぎには水を一切使わず、お豆腐を入れて練って出来た極上のお団子です。お味は、絹のように優しく滑らかで、しかも少しもっちりとしていてとても美味。小豆を添えたものとみたらし団子を作り、お好みの味で召し上がって頂きました。まさにお月見ならではの風情あるおやつです。
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 このお月見を一段と盛り上げるために入居者様たちが、折り紙を千切ってお月見の絵を作成しました。大きさは模造紙一枚ほど。制作日数は約10日。皆様のお月様に対する思いと、手作りの温もりが伝わる一枚です。
 さて、そんなお月見に対してどのような思い出があるのか、入居者様に伺ってみました。
 「子供の頃、お月見の夜に何人もの男の子が一緒に家にやってきて、お供えのお団子を持って帰ってしまった。でもこの日だけは縁起物なので、誰も子供たちを追いかけて行かなかったのよ」とか「子供の頃はお月様に“健康でいられますように”とお願いしたけれど、好きな人が出来てからは“お嫁さんに行けれますように”って祈ったわね」などと、様々なお答が返ってきました。遠い彼方で輝くお月様に対しての思い出は千差万別。いつまでも皆様の心の中で息づいているのかも知れませんね。
 ♪う~さぎ うさぎ なに見て跳ねる 十五夜お月さん みてはぁね~る♪
 今宵の皆様の気持ちはうさきさんかも。夜になると一層強く激しく鳴き出す虫の声。耳を澄ませば、ほら、虫たちの鳴き声もこの曲を歌っているように聞こえませんか?

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