鬼は外! 福は内!

 
 春が訪れる季節の変わり目に豆を撒いて、無病息災をお祈りする風習「節分」。前年の邪気や災難を払い清める行事として定着しています。この節分の日に「恵方巻き」という太い巻き寿司を食べる習慣があるのは大阪が発祥の地と言われ、関東で食べられるようになったのはここ数年の事。太い巻き寿司を口いっぱいにくわえ恵方の方角に向かって会話はせず、丸ごと食べることによって、願い事が叶うと言われています。
 なぜ巻き寿司なのか? その理由は、「福を巻き込む」からで、まるごと食べるのは、「縁を切らないため」という事だそうです。今年の恵方は「北北西」でしたが、その年の干支に基づいておめでたい方角に向いて食します。
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 この日の昼食は「恵方巻き」。入居者様たちも本当は太巻きを丸かじりしたかったのですが、とても太い巻き寿司のため口に入れるのは大変です。仕方なく食べやすい大きさに切ってお出し致しました。太巻きの中身は玉子焼き、キュウリ、かんぴょう、桜デンブ、海鮮棒など具沢山! 職員が気合い入れて作った大きな太巻きを頬張りながら皆様、ニコやかに召し上がっていました。
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  「鬼は外! 福は内!!」
 3時のおやつ前、豆を撒く音と共に入居者様たちの威勢の良い声が、施設内に響き渡ります。職員が鬼役し、金棒を振りかざして白熱した名演技を披露。入居者様は鬼に向かって勢いよく豆を投げつけ、喜んでいました。
 豆まきはその昔、鬼が出たときに大豆を鬼の目に投げつけて鬼を退治したという謂れがあり、そこから豆まきでは「魔の目(魔目=まめ)」に豆を投げつけて「魔を滅する(魔滅=まめ)」という意味があるとか。なんとも粋な語呂合わせですね。
 この日、鬼を演じた職員は「みんなが手加減しないで豆を投げ付けるから痛かったよ(苦笑)」と、鬼なのに鬼ならぬ発言をして入居者様たちから笑いを受けていました。
 暖かな春はもうすぐそこまで来ています。寒かった冬が名残り惜しそうに、入居者様たちの明るい笑い声を背にして通り過ぎていく、そんな気配を感じた節分の一日でした。
  

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